栄養素

カルシウムを含む食品は?はたらきや不足の影響、適切な摂取量も解説

メディパレット編集部

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カルシウムを含む食品は?はたらきや不足の影響、適切な摂取量も解説

「カルシウムを摂取するにはどんなものを食べたら良いんだろう?」

カルシウムは骨の健康に大切だとご存じの方も多いでしょう。

体内のカルシウムの多くは骨や歯を構成する材料になる他、血液凝固や筋肉の収縮にも関わります

カルシウムは体に吸収されにくい栄養素のため、吸収率の良いカルシウムを含む食品を選ぶことがおすすめです。

この記事ではカルシウムを多く含む食品や摂取する際のポイントをご紹介します。

カルシウムの過不足による影響や適切な摂取量、平均必要量も詳しく解説します。

骨の健康を維持したいという方はぜひ参考にしてくださいね。

1.カルシウムを含む食品

牛乳とチーズといりこ

「カルシウムを含む食品にはどんなものがあるんだろう?」

カルシウムは乳製品の他にも、さまざまな食品に含まれています。

メモ
この章でご紹介する食品は、食品表示基準にのっとり100g当たりのカルシウムの含有量が「豊富である」または「含まれる」と表現できるものです[1]。

この章ではカルシウムを含む食品を乳製品、魚介類、豆類・大豆製品、野菜類、海藻類に分けて解説します

[1] 東京都福祉保健局「栄養成分表示ハンドブック

1-1.カルシウムを含む乳製品

ヨーグルト

カルシウムと聞くと、乳製品を思い浮かべる方も多いでしょう。

カルシウムを含む乳製品は以下のとおりです。

【カルシウムを含む乳製品と可食部100g当たりの含有量】
食品名 加工状態など 含有量
パルメザンチーズ
-
1300mg
エメンタールチーズ
-
1200mg
チェダーチーズ
-
740mg
ゴーダチーズ
-
680mg
プロセスチーズ
-
630mg
ブルーチーズ
-
590mg
カマンベールチーズ
-
460mg
リコッタチーズ
-
340mg
モッツァレラチーズ
-
330mg
マスカルポーネチーズ
-
150mg
アイスクリーム(普通脂肪)
-
140mg
加工乳(低脂肪)
-
130mg
ヨーグルト(全脂無糖)
-
120mg
普通牛乳
-
110mg
ヨーグルトドリンクタイプ
-
110mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

表中のチーズのうちマスカルポーネチーズ以外は100g当たりのカルシウムの含有量が豊富といえます[2]。

ただしバターやチーズなどには脂質も多く含まれているものがあるため、必要以上の摂取は控えるようにしてくださいね。

[2] 東京都福祉保健局「栄養成分表示ハンドブック

1-2.カルシウムを含む魚介類

いりこ

カルシウムは魚介類にも含まれています。

カルシウムを含む魚介類は以下のとおりです。

【カルシウムを含む魚介類と可食部100g当たりの含有量】
食品名 加工状態など 含有量
かたくちいわし
煮干し
2200mg
さくらえび
素干し
2000mg
ふな甘露煮
-
1200mg
どじょう
1100mg
たたみいわし
-
970mg
まあじ(小型、骨付き)
780mg
さくらえび
630mg
しらす干し
半乾燥
520mg
いかなご
500mg
わかさぎ
450mg
いわし油漬缶詰(オイルサーディン)
-
350mg
からふとししゃも
生干し
350mg
ししゃも
生干し
330mg
いわし水煮缶詰
-
320mg
桜でんぶ
-
300mg
しらす干し
微乾燥品
280mg
さんま味付け缶詰
-
280mg
天然あゆ
270mg
あさりつくだ煮
-
260mg
さば水煮缶詰
-
260mg
養殖あゆ
250mg
さんまかば焼き缶詰
250mg
しじみ
240mg
しらす
210mg
さばみそ煮缶詰
-
210mg
ほっけ開き干し
170mg
うなぎ
かば焼き
150mg
アンチョビ
缶詰
150mg
はまぐり
130mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

メモ
しらす干しのうち水分の多い微乾燥品は関東に、水分の少ない半乾燥品は関西に主に流通しています。ししゃもは北海道で漁獲される日本固有の魚で、全国的に「ししゃも」「子持ちししゃも」として流通しているのは輸入品のからふとししゃも(カペリン)です。

なお半乾燥のしらす干しなどは1食当たりの摂取量が少ないため、それだけで十分なカルシウムを摂ることは難しいといえるでしょう

1-3.カルシウムを含む豆類・大豆製品

生の大豆

カルシウムを含む豆類・大豆製品は以下のとおりです。

【カルシウムを含む豆類・大豆製品と可食部100g当たりの含有量】
食品名 加工状態など 含有量
油揚げ
310mg
がんもどき
-
270mg
厚揚げ
生揚げ
240mg
米国産黄大豆
乾燥
230mg
きな粉(黄大豆、全粒)
-
190mg
国産黄大豆
乾燥
180mg
中国産黄大豆
乾燥
170mg
いり大豆(黄大豆)
-
160mg
いり大豆(青大豆)
-
160mg
きな粉(青大豆、全粒)
-
160mg
焼き豆腐
-
150mg
高野豆腐(凍り豆腐)
水煮
150mg
いんげんまめ
乾燥
140mg
国産黒大豆
乾燥
140mg
いり大豆(黒大豆)
-
120mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

メモ
厚揚げは、木綿豆腐を厚めに切って若干水切りしたものを油で揚げたもので「生揚げ」ともいいます。

豆類や大豆製品はさまざまな加工状態の食品があり、毎日の食生活に取り入れやすいといえるでしょう。

1-4.カルシウムを含む野菜類

ザルにのった葉野菜

カルシウムは、野菜類にも含まれています。

【カルシウムを含む野菜類と可食部100g当たりの含有量】
食品名 加工状態など 含有量
モロヘイヤ
260mg
バジル
240mg
しそ
230mg
水菜
210mg
ルッコラ
170mg
小松菜
170mg
ザーサイ
漬物
140mg
野沢菜
塩漬
130mg
しゅんぎく
120mg
クレソン
110mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

これらの野菜類は生のままだけでなく、スープや漬物などのメニューでも摂取できます。

調理方法を工夫することにより食事を楽しみつつ、カルシウムを摂取することができるでしょう。

1-5.カルシウムを含む海藻類

ひじきと大豆の煮物

カルシウムは海藻類からも摂ることができます。

【カルシウムを含む海藻類と可食部100g当たりの含有量】
食品名 加工状態など 含有量
干しひじき
乾燥
1000mg
刻み昆布
-
940mg
カットわかめ
乾燥
870mg
まこんぶ素干し
乾燥
780mg
りしりこんぶ素干し
-
760mg
削りこんぶ
-
650mg
焼きのり
-
280mg
塩こんぶ
-
280mg
まこんぶ素干し
水煮
200mg
味付けのり
-
170mg
昆布つくだ煮
-
150mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

メモ
削り昆布は、主にまこんぶを食酢で湿らせてやわらかくし、削って薄くしたものです。薄く削ったおぼろこんぶと、糸状に削ったとろろこんぶがあります。

ただし海藻類のうち乾燥状態のものなどは1食当たりの摂取量が少ないことに注意が必要です。

1食で十分な量のカルシウムを摂ることは難しいといえるため、この他の食品と組み合わせて食べると良いでしょう。

2.カルシウムの摂取に関するポイント

ヨーグルトやフルーツを食べようとしている女性

「どうしたらカルシウムを効率良く摂ることができるのかな?」

このように気になっている方もいらっしゃるかもしれませんね。

この章では、カルシウムを含む食品を摂る際のポイントを解説します。

ポイント1 カルシウムの吸収率が高い食品を選ぶ

カルシウムを摂取する際には、カルシウムの吸収率が高い食品を選ぶことが勧められます。

栄養素は摂取した量がそのまま体に取り込まれるわけではなく、一部は吸収されて残りは体外に排出されてしまいます。

特にカルシウムは体に吸収されにくい栄養素です。

また食品によってカルシウムの吸収率は異なります。

牛乳など乳製品はカルシウムの吸収率が高く、カルシウムを摂取するのに適した食品なのです。

また大豆製品や骨ごと食べられる小魚、海藻類、緑黄色野菜などもカルシウムの吸収率が高いといわれています。

ポイント2 リンの摂り過ぎに注意する

カルシウムを摂取する際には、「リン」の摂り過ぎに注意が必要です。

リンはカルシウムと共に骨をつくるミネラルの一つです。

ミネラルとは
元素のうち、生体を構成する主要な元素である水素(H)、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)の4元素を除いた元素の総称で、「無機質」とも呼ばれます。

しかし摂り過ぎるとカルシウムの便への排せつを促すため、リンを含む食品の摂り過ぎは控えましょう。

リンは食品添加物としてスナック菓子やインスタント食品、加工食品などに広く使用されています

また肉類もカルシウムに対してのリンの割合が高いため肉類中心の食生活は改めることが勧められます。

カルシウムとリンの摂取比率は1:1〜2程度が理想的とされています[3]。

スナック菓子などのリンを含む食品を摂取する際には、一緒に牛乳を飲みカルシウムを補うなどの工夫をし、バランスを保つようにしてくださいね。

リンについては以下の記事をご参照ください。

リンとは?はたらきや過不足による影響、食事摂取基準などを紹介

[3] 一般社団法人 日本乳業協会「乳製品に含まれるリンはカルシウムの吸収・利用の妨げになりませんか?

ポイント3 カルシウムの吸収を促す物質を摂る

カルシウムを摂取する際には、カルシウムの吸収を促す物質を一緒に摂りましょう

カルシウムの吸収を促進する成分には「ビタミンD」や「クエン酸」、「CPP(カゼインホスホペプチド)」などがあります

ビタミンDはヒトの体の機能を正常に保つビタミンの一種で、油に溶けやすい性質のある「脂溶性ビタミン」に分類されます。

ビタミンDはカルシウムやリンといった骨をつくるミネラルの代謝に関与しています。

小腸や腎臓でこれらのミネラルの吸収を促進し、骨の形成を助けているのです。

ビタミンDの体内でのはたらきや、摂取源となる食品については以下の記事をご参照ください。

ビタミンDとは?体内でのはたらきや摂取すべき量、摂取源を紹介

クエン酸は酢や柑橘(かんきつ)類に含まれる酸味成分の一種です。

カルシウムはクエン酸と一緒に摂ることで、吸収が促進されるといわれています

この他にも、クエン酸は体内でエネルギーをつくり出すために不可欠で、疲労回復に効果があるといわれています。

CPPは、牛乳のたんぱく質の約8割を占める「カゼイン」を消化する過程で生成される物質です[4]。

摂取されたカルシウムは小腸の上部で一部吸収され、大部分のカルシウムは下部に移動します。

下部に行くほど、カルシウムは体内に吸収されにくくなります。

CPPは、この過程でカルシウムが吸収されにくくなるのを防ぎ、吸収量を増やす作用があるといわれています。

[4] 一般社団法人 日本乳業協会「カルシウムの吸収を高めるためにはどうしたらよいでしょうか?

ポイント4 カルシウムの吸収を阻む物質を避ける

カルシウムを摂取する際には、カルシウムの吸収を阻害する物質の摂取を避けましょう。

カルシウムの吸収を阻む物質には「シュウ酸」や「フィチン酸」、「食物繊維」などがあります。

シュウ酸は野菜に含まれるいわゆる「あく」の元となる成分です。

ほうれん草やたけのこ、紅茶、チョコレートなどに多く含まれています。

フィチン酸は穀類や植物の種子に多く含まれる物質です。

カルシウムや鉄、亜鉛、銅、マンガン、コバルトなどのミネラル類と結合しやすい性質を持ちます。

食品添加物として食品の変色や酸化の予防や、pH調整のために使われることがあります。

食物繊維はヒトの消化酵素では消化できない食品成分の総称で、炭水化物の一種です。

干しひじきや、しいたけ、わかめ、黄大豆、切り干し大根などに含まれています。

カルシウムの吸収を高め骨の健康を維持するためには、カルシウムとこれらの物質を同時に食べないようにしてくださいね。

食物繊維の体内でのはたらきや、摂取源となる食品については以下の記事をご参照ください。

食物繊維とは?はたらきや摂取目標量、摂取源となる食べ物を解説

3.カルシウムのはたらきと過不足による影響

腰をおさえている男性の後ろ姿

カルシウムは、体に必要なミネラル(必須ミネラル)の一種です。

ミネラルのうち栄養素として体に必要なことが分かっているものを「必須ミネラル」といい、カルシウムを含めて16種類あります[5]。

この章ではカルシウムのはたらきや過不足の影響について解説します。

カルシウムについて、ミネラルについてはそれぞれ以下の記事をご参照ください。

カルシウムとは?はたらきや摂取すべき量、摂取源となる食品を解説

ミネラルとは?体に必要な理由と豊富に含まれる食べ物を種類別に紹介

[5] 国立研究開発法人国立循環器病研究センター「栄養に関する基礎知識

3-1.カルシウムのはたらき

カルシウムは体重の1〜2%を占める人体に最も多く含まれるミネラルです[6]。

体内のカルシウムの99%は骨や歯を構成し、また、残りの1%は血液や細胞外液などに存在します[6]。

血液に存在するカルシウムは血液凝固に関わります

外傷などで出血が起こると、たんぱく質やカルシウムといった因子が活性化され出血を止めるようはたらきます。

この他、カルシウムは筋肉の収縮にも関わっています

ヒトの体には心臓を拍動させる筋肉である心筋や、体を支えたり動かしたりする骨格筋などさまざまな筋肉があります。

これらの筋肉が収縮や弛緩を繰り返すことは、生命維持や身体活動において重要なはたらきの一つです。

筋肉の収縮は、カルシウムが筋肉の筋繊維に入り込むといった過程などを経て起こるとされています。

カルシウムは骨の健康だけでなく、生命維持においても重要な栄養素なのですね。

[6] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

3-2.カルシウムの過不足による影響

カルシウムが不足すると成人では骨粗しょう症、小児では骨に異常が現れるくる病になる恐れがあると考えられています。

骨粗しょう症とは、骨がもろく骨折しやすくなった状態のことです。

骨は、カルシウムを骨に取り込んで新しい骨をつくる「骨形成」と、古い骨を壊してカルシウムが骨から溶け出す「骨吸収」の骨代謝を繰り返し、骨の強度を保っています。

しかし慢性的にカルシウムの摂取量が不足すると、カルシウムが骨から取り出される量が多くなり、骨がもろくなり骨粗しょう症に至るのです。

カルシウム以外に、カルシウムの吸収に必要なビタミンDなどが不足し骨吸収が骨形成を上回ることも発症の要因になります。

また、くる病は子どものときにカルシウムやリンが骨に十分に沈着せず弱い骨ができてしまう病気で、身長の伸びが止まった大人では骨軟化症と呼びます。

骨が曲がりやすくなる、身長が伸びにくくなるといった症状の他、曲がった姿勢を維持するのに筋肉や関節に負担がかかって関節や背中が痛くなることがあります。

さらにカルシウムが極度に不足すると筋肉がけいれんすることがあるといわれています。

一方、健康な人が通常の食事からカルシウムを過剰に摂取しても健康障害が発生することはほとんどないといわれています。

ただしサプリメントなどから過剰に摂取した場合は、マグネシウムやリンなどの他のミネラルの吸収が抑制されることが分かっています。

マグネシウムやリンはカルシウムと共に骨を形成するミネラルであるため、それぞれをバランス良く摂取することが重要です。

またサプリメントによる過剰摂取では泌尿器系の結石やミルクアルカリ症候群を発症する恐れもあります。

結石は尿に含まれるカルシウムなどの物質が過剰になり、結晶化したものです。

腎臓でつくられた尿は、尿管や膀胱、尿道を通って排出されますが、この尿の通り道(尿路)に結石ができると、強い痛みを引き起こすことで知られています。

ミルクアルカリ症候群は、カルシウムやリン、マグネシウムなどの血中濃度が上昇し腎障害を引き起こす病気です。

腎障害では腎臓の機能が低下し、尿を正常につくることができなくなるために老廃物を排せつしたり、体内の水分や塩分の量を調節したりできなくなります。

サプリメントなどでカルシウムを補う際は、適切な量を守って摂取していくことが望ましいのですね。

4.カルシウムの適切な摂取量と平均摂取量

計量カップにはいった白い液体

「カルシウムはどのくらい摂ったら良いのかな?」

このように気になっている方もいらっしゃるでしょう。

この章ではカルシウムの適切な摂取量の他、日本人のカルシウム摂取量の平均値をご紹介します。

ぜひ参考にしてくださいね。

4-1.カルシウムの適切な摂取量

厚生労働省によると、各年代のカルシウムの食事摂取基準は以下のとおりです。

【カルシウムの1日当たりの適切な摂取量(mg)】
性別 男性 女性
年齢 推定平均必要量 推奨量 目安量 推定平均必要量 推奨量 目安量
0~5カ月
-
-
200
-
-
200
6~11カ月
-
-
250
-
-
250
1~2歳
350
450
-
350
400
-
3~5歳
500
600
-
450
550
-
6~7歳
500
600
-
450
550
-
8~9歳
550
650
-
600
750
-
10~11歳
600
700
-
600
750
-
12~14歳
850
1000
-
700
800
-
15~17歳
650
800
-
550
650
-
18~29歳
650
800
-
550
650
-
30~49歳
650
750
-
550
650
-
50~64歳
600
750
-
550
650
-
65~74歳
600
750
-
550
650
-
75歳以上
600
750
-
500
600
-

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

厚生労働省は1歳以上の男女に対し、カルシウムの推定平均必要量および推奨量を設定しています。

メモ
推定平均必要量は摂取不足の回避を目的としてつくられたもので、半数の人の必要量を満たす量です。推奨量はほとんどの人が充足している量です。

また1歳未満では目安量が、18歳以上の男女では耐容上限量として2,500mg/日が設定されています[7]。

メモ
目安量は十分な科学的根拠が得られず、推定平均必要量と推奨量が設定できない場合に設定される量です。一定の栄養状態を維持するのに十分な量とされます。耐容上限量は過剰摂取による健康障害の回避を目的として設定される量です。

ご自分の年代や性別と照らし合わせてくださいね。

[7] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

4-2.カルシウムの平均摂取量

厚生労働省「令和5年国民健康・栄養調査報告」によると、各年代の男女の平均摂取量は以下のとおりです。

【カルシウムの平均摂取量(mg/日)】
年齢 男性 女性
1~6歳
415
383
7~14歳
644
606
15~19歳
512
417
20~29歳
454
386
30~39歳
443
399
40~49歳
413
409
50~59歳
453
446
60~69歳
514
518
70~79歳
550
543
80歳以上
561
528

厚生労働省「令和5年国民健康・栄養調査報告」をもとに執筆者作成

カルシウムの摂取量は男女共に、多くの年代で推奨量どころか推定平均必要量をも下回っていると分かりますね。

骨だけでなく全身の健康を維持する上でも、日頃から意識してカルシウムを摂るようにしましょう。

5.カルシウムを含む食品についてのまとめ

カルシウムは乳製品や一部の魚介類、豆類・大豆製品、野菜類、海藻類などの食品に含まれています

代表的なものとして乳製品ではパルメザンチーズ、エメンタールチーズ、魚介類では煮干しのかたくちいわしや、素干しのさくらえび、豆類や大豆製品では油揚げやがんもどきなどが挙げられます。

また野菜類ではモロヘイヤやバジル、海藻類ではひじき、刻み昆布などにも含まれています。

カルシウムは体に吸収されにくい栄養素です。

このため摂取する際には、吸収率の高いカルシウムを含む牛乳や大豆製品、骨ごと食べられる小魚などの食品を選ぶことがおすすめです。

またリンの摂り過ぎはカルシウムの便への排せつを促すため注意が必要です。

リンは食品添加物としてスナック菓子やインスタント食品、加工食品などに広く使用されています。

他にもカルシウムの吸収を促すビタミンD、クエン酸、CPPを一緒に摂ること、カルシウムの吸収を阻害するシュウ酸、フィチン酸、食物繊維などを一緒に摂取しないことを心掛けると良いでしょう。

カルシウムは男女共にほとんどの年代で不足しがちな栄養素のため、積極的に摂取するようにしてくださいね。


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執筆者 メディパレット編集部

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