「アボカドは栄養価が高いって本当なのかな……。」
「アボカドにはどんな栄養素が含まれていて、どんな効果があるんだろう?」
このように疑問に感じている方もいらっしゃるかもしれません。
アボカドは栄養価が高いことで知られていますが、どんな栄養素が含まれていて、どんな効果が期待できるのかについても気になるところですよね。
そこでこの記事では、アボカドに含まれている具体的な栄養素やその期待される効果、アボカドを健康的に食べる際のポイントについて解説します。
アボカドの健康効果について詳しく知りたいという方はぜひ参考にしてくださいね。
1.アボカドに含まれる栄養素と効果
アボカドには体に良いとされるさまざまな栄養素が含まれています。
ここでは、その具体的な栄養素やその効果についてご紹介しましょう。
1-1.脂質
アボカドは「森のバター」と聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
これはアボカドに脂質が豊富に含まれているためです。
脂質というと肥満の原因になるなど、体に悪いというイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、アボカドに含まれている脂質の多くは「不飽和脂肪酸」と呼ばれ、健康に良いさまざまな作用があります。
一価不飽和脂肪酸のなかでも、アボカドに多く含まれている「オレイン酸」には血液中の「LDLコレステロール(悪玉コレステロール)」を減らす効果が期待できます。
また、多価不飽和脂肪酸はn-3系、n-6系に分けられますが、この二つは必須脂肪酸と呼ばれ、食事からの摂取が必要な栄養素です。
アボカドにはn-3系脂肪酸である「リノール酸」「α-リノレン酸」も含まれていますが、特にn-3系脂肪酸には、血液をサラサラにして血栓を予防したり、心筋梗塞、脳梗塞などの発症を予防したりするはたらきが期待できます。
1-2.食物繊維
アボカドには食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維は消化・吸収されずに大腸まで届く成分で、第六の栄養素といわれることもあります。
食物繊維には、便通を整えて便秘を予防する効果があります。
他にも脂質や糖質、塩分(ナトリウム)などを吸着して体外に排出する性質を持ち、これらの摂り過ぎによって起こる肥満や糖尿病、高血圧などの生活習慣病にも効果が期待されています。
1g当たり0〜2kcalと低カロリーである点もメリットです[1]。
しかし、日本人の食物繊維の摂取量は減少傾向にあるといわれており、積極的に摂取することが勧められています。
【関連情報】 「食物繊維とは?はたらきや摂取目標量、摂取源となる食べ物を解説」について詳しくはこちらの記事もご覧ください
1-3.ビタミンE
アボカドには脂溶性ビタミンであるビタミンEが含まれています。
ビタミンEは免疫機能を高め、細菌やウイルスなどから体を守るためにも必要な栄養素です。
また、血管の拡張を促し血液をサラサラにする効果もあります。
さらに、ビタミンEには「抗酸化作用」があり「抗酸化ビタミン」とも呼ばれます。
ビタミンEは活性酸素の悪影響を防げると考えられるので、健康や美容に重要な栄養素だといえるでしょう。
【関連情報】 「ビタミンEとは?はたらきや摂取目安量、摂取源となる食べ物を紹介」について詳しくはこちらの記事もご覧ください
1-4.ビタミンB6
アボカドにはビタミンB群の一種であるビタミンB6が含まれています。
ビタミンB群にはビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類があります。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
ビタミンB群にはどんなものがある?効果や含まれる食品を徹底解説!
ビタミンB6は水溶性のビタミンで主にたんぱく質からエネルギーを産生する役割をしています。
また、皮膚や粘膜の健康維持を助ける役割もしていることから、健康な皮膚や髪、歯をつくるのに重要な栄養素といえます。
たんぱく質を多く摂っている方ほど、ビタミンB6の必要量も多くなるため、日頃からたんぱく質を多く摂る方は意識して摂りたい栄養素です。
【関連情報】 「ビタミンB6のはたらきは?食事摂取基準や摂取源となる食品も紹介」について詳しくはこちらの記事もご覧ください
1-5.葉酸
アボカドには葉酸が含まれています。
葉酸は、水溶性ビタミンであるビタミンB群の一種です。
葉酸は造血に欠かせない栄養素で、貧血を防ぐ効果が期待できるといわれています。
それだけではなく、口内炎を予防したり病気に対する抵抗力を高めたりする効果も期待できます。
また葉酸は細胞の増殖や成長にも大きく関わっているため、特に胎児にとっては重要な栄養成分であるといえます。
妊婦が葉酸を十分に摂取することで、胎児の先天異常である神経管閉鎖障害のリスクを減らすことができます。
葉酸は胎児の成長に必要な栄養素であるとともに、大人にとっても健康維持のために必要な栄養素といえるでしょう。
【関連情報】 「葉酸とは?はたらきや食事摂取基準、多く含まれる食品などを紹介」について詳しくはこちらの記事もご覧ください
1-6.ナイアシン
アボカドにはビタミンB群の一種であるナイアシンも含まれています。
ナイアシンはエネルギーの産生や脂質、アミノ酸の代謝などに関わる栄養素です。
通常の食事をしていれば不足することはありませんが、万一ナイアシンが欠乏すると皮膚炎や下痢、精神障害を起こす恐れがあります。
そのため不足のないように摂取したいところですね。
【関連情報】 「ナイアシンはどんなビタミン?はたらきや食事摂取基準、摂取源を紹介」について詳しくはこちらの記事もご覧ください
1-7.パントテン酸
アボカドにはパントテン酸が含まれています。
パントテン酸は、水溶性ビタミンでビタミンB群の一種で脂質の代謝を助ける役割をしています。
パントテン酸は「至るところに存在する酸」という意味で、さまざまな食品に含まれているため、通常の食事をしていれば不足する心配はありません。
しかし、万一不足した場合には脂質の代謝に影響を及ぼす恐れがあるため、食事から十分に摂取したいところですね。
1-8.ビタミンC
アボカドにはビタミンCが含まれています。
ビタミンCは体内で合成することができないため、食品から摂取する必要があります。
ビタミンCはビタミンEと同様に抗酸化作用を持つ水溶性のビタミンの一つです。
細胞に生じたダメージの修復や再生を促すはたらきを期待できます。
健康な皮膚や血管を保つため細胞のコラーゲンの合成に必要な栄養素で、不足すると血管がもろくなり出血しやすくなります。
しかし、ビタミンCはストレスや喫煙などで消費されてしまうことが分かっています。
そのため、普段喫煙していたりストレスを感じたりしている方は、特に意識して摂りたい栄養素といえます。
1-9.カリウム
アボカドにはカリウムも含まれています。
カリウムは人体に必要なミネラルの一種で、摂り過ぎた塩分を体の外に排出し体液バランスを保つのに重要な栄養素です。
カリウムにはむくみを予防したり、血圧を正常に保ったりする役割があるほか、カリウム摂取量を増加させることで脳卒中予防につながることも分かっています[2]。
日本人は塩分の摂取量が諸外国に比べて多いとされ、塩分の体外排泄を促すカリウムの摂取が重要といえます。
また、カリウムは筋肉の収縮にも関わっているため、筋肉の動きをスムーズにする役割も担っています。
アボカドを通じてカリウムを十分に摂取したいものですね。
1-10.銅
アボカドにはミネラルの一種である銅も含まれています。
銅は主に骨や筋肉、肝臓、血液、脳などに存在しています。
鉄とともに造血機能にも関っており、貧血予防に欠かせない栄養素です。
さらに骨を強くする効果もあるといわれています。
アボカドを摂ることで、貧血予防や骨を強くする効果が期待できるのですね。
2.アボカドを健康的に食べる際のポイント
「アボカドは1日にどれくらい摂れば良いんだろう……?」
アボカドにはさまざまな栄養素が含まれていますが、1日にどれくらい摂取したら良いのか、食べる際のポイントなどについても気になるところですよね。
ここでは、アボカドを健康的に食べる際のポイントについてご紹介します。
ポイント1 食べ過ぎに気をつける
さまざまな栄養素を含み、体に良い効果が期待できるアボカドですが、食べ過ぎには注意が必要です。
アボカドのカロリーは可食部100g当たり176kcalです[3]。
サイズにもよりますが、1日に大体半分ぐらいが適量といわれています[4]。
体に良いとはいえ、食べ過ぎると体重増加につながる恐れがあるため、適度な量を守って食べることが大切ですね。
ポイント2 変色防止にはレモン汁を使う
アボカドを切った後にそのまま保存して、変色させてしまった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
アボカドの変色は断面に酸が含まれているレモン汁をかけることで防止することができます。
一度で使い切れなかったときには便利な知識なので覚えておきましょう。
3.アボカドの栄養について まとめ
アボカドは体に良いさまざまな栄養素が含まれており、栄養価が高いといえます。
アボカドが「森のバター」と呼ばれるのは脂質が多く含まれているためです。
脂質に対して悪いイメージを抱いている方もいらっしゃるかもしれませんが、アボカドに含まれている脂質には悪玉コレステロールを減らすといった体に良いはたらきがあります。
またアボカドには脂質や糖などを体外に排出したりおなかの調子を整えたりする食物繊維も豊富に含まれています。
その他に、老化やがん予防をする抗酸化作用をもったビタミンEやビタミンC、塩分の摂り過ぎによる高血圧を防いでくれるカリウム、血をつくるはたらきなどに関わる銅なども含まれています。
食べ過ぎには注意が必要ですが、上手に食事に取り入れられると良いですね。