栄養素

ビタミンEとは?はたらきや摂取目安量、摂取源となる食べ物を紹介

メディパレット編集部

メディパレット編集部

ビタミンEとは?はたらきや摂取目安量、摂取源となる食べ物を紹介

「ビタミンEにはどんなはたらきがあるんだろう?」

「ビタミンEはどんな食べ物に多く含まれているのかな?」

このように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ビタミンEの名前は聞いたことはあっても、具体的なはたらきや摂取するべき量について詳しく知らないという方もいらっしゃるかもしれませんね。

ビタミンEには動脈効果やがんなどの原因の一つである活性酸素を抑制し、細胞を健康な状態に保つはたらきがあります。

この記事ではビタミンEのはたらきや1日当たりの摂取目安量、ビタミンEを豊富に含む食品などについて詳しく解説します。

1.ビタミンEとは

ビタミンEは油に溶けやすい性質を持つ脂溶性ビタミンの一種です。

メモ
ビタミンは水に溶けやすい「水溶性ビタミン」と油に溶けやすい「脂溶性ビタミン」の二つに分けられます。

ビタミンEにはいくつかの種類が存在し、それらを総称したものがビタミンEと呼ばれています。

メモ
ビタミンEにはα-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、α-トコトリエノール、β-トコトリエノール、γ-トコトリエノール、δ-トコトリエノールの8種類があります[1]。

ビタミンEには「活性酸素」のはたらきを抑える「抗酸化作用」があります

活性酸素とは
呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部が過剰に活性化された物質です。活性酸素が大量につくられると細胞を傷つけ、老化や免疫機能の低下、がんなどの原因となります。

ビタミンEは体内では細胞膜や脂質に多く存在し、それ自体が酸化されることによって活性酸素による悪影響を防いでくれます。

食品に一定量のビタミンEを含んでいれば、「抗酸化作用により、体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助ける」という栄養機能表示を行うことができます[2]。

メモ
食品の1日当たりの摂取目安量に含まれるビタミンEの量が1.89〜150mgであれば、栄養機能の表示ができます[2]。

抗酸化作用を持つビタミンEは、健康のために積極的に摂取したい栄養素だといえるでしょう。

[1] 厚生労働省「 日本人の食事摂取基準(2020年版)

[2] 消費者庁「 栄養機能食品について

2.ビタミンEの食事摂取基準と平均摂取量

「ビタミンEが体に必要な栄養素だと分かったけど、1日にどれくらい摂取すれば良いのかな?」

「普段の食生活でビタミンEが十分に摂取できているのかな……」

このような疑問や不安を抱いている方もいらっしゃるかもしれませんね。

ここではビタミンEをどれくらい摂取すべきなのか、日本人が平均でどれくらいの量を摂取しているのかをご紹介します。

2-1.1日当たりの食事摂取基準

厚生労働省はビタミンEの目安量と耐容上限量を定めています。

メモ
目安量は一定の栄養状態を維持するのに十分な量で、これ以上摂取すれば不足のリスクはほとんどありません。また、耐容上限量は過剰摂取による健康障害を防ぐために設定されています。

ビタミンEの目安量は以下のとおりです。

【ビタミンEの目安量(mg/日)】
          
年齢等 男性女性
0~5カ月
3.0
3.0
6~11カ月
4.0
4.0
1~2歳
3.0
3.0
3~5歳
4.0
4.0
6~7歳
4.5
4.0
8~9歳
5.0
5.0
10~11歳
5.0
5.5
12~14歳
6.5
6.0
15~17歳
7.0
6.0
18~29歳
6.5
5.0
30~49歳
6.5
6.0
50~64歳
6.5
6.0
65~74歳
7.5
7.0
75歳以上
7.0
6.0
妊婦
-
5.5
授乳婦
-
5.5

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

ビタミンEの耐容上限量は以下のとおりです。

【ビタミンEにおける1日当たりの耐容上限量(mg/日)】
          
年齢等 男性女性
0~5カ月
-
-
6~11カ月
-
-
1~2歳
150
150
3~5歳
200
200
6~7歳
300
300
8~9歳
350
350
10~11歳
450
450
12~14歳
650
650
15~17歳
750
650
18~29歳
800
650
30~49歳
800
700
50~64歳
800
700
65~74歳
800
700
75歳以上
800
650

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

2-2.1日当たりの平均摂取量

ビタミンEの摂取目安量が分かっても、普段の食生活で十分に摂取できているのかイメージしづらいですよね。

そこでビタミンEの食事摂取基準と日本人の平均摂取量を比較してみましょう。

厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査」によると、ビタミンEの平均摂取量は以下のとおりです。

【ビタミンEの平均摂取量】

年齢 男性 女性
1〜6歳 4.2mg 3.8mg
7〜14歳 6.0mg 5.9mg
15〜19歳 7.3mg 6.6mg
20〜29歳 6.9mg 5.4mg
30〜39歳 6.6mg 6.1mg
40〜49歳 6.7mg 6.0mg
50〜59歳 7.1mg 6.6mg
60〜69歳 7.5mg 7.2mg
70〜79歳 7.8mg 7.4mg
80歳以上 6.8mg 6.3mg

厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」をもとに執筆者作成

男女ともに、ビタミンEの摂取目安量を上回っています。

通常の食生活を送っていれば、必要な量のビタミンEを摂取できているといえるでしょう。

3.ビタミンEの過不足による影響

「ビタミンEを摂り過ぎるとどうなるんだろう?」

「ビタミンEが不足したら体にどんな影響があるのかな……」

ビタミンEを摂り過ぎたり、逆に不足したりするとどんな影響があるのか気になりますよね。

ここでは、ビタミンEの過不足による体への影響についてご説明します。

3-1.ビタミンEを過剰摂取した場合

通常の食品からビタミンEを摂取する分には、体への悪影響は見つかっていません。

しかし、ビタミンEを高容量摂取すると出血しやすくなる可能性があり、特に血栓をできにくくする薬を服用している方によく見られるといわれています。

サプリメントを長期的かつ大量に摂取しないように注意しましょう。

3-2.ビタミンEが不足した場合

ビタミンEの不足についても、通常の食事を摂取していれば健康への悪影響はほとんどありません

ビタミンEが欠乏すると神経や筋肉に異常を来すことがありますが、成人ではほとんど見られないとされています。

不足による悪影響については過度に心配する必要がないといえるでしょう。

4.ビタミンEを多く含む食品

ビタミンEはどんな食べ物に多く含まれているのか気になりますよね。

ビタミンEは魚類や野菜など、さまざまな食べ物に含まれています。

ここではビタミンEが含まれている食べ物について、「動物性食品」と「植物性食品」の二つに分けてご紹介します。

メモ
食事摂取基準はα-トコフェロールを指標としているため、ここではα-トコフェロールの含有量が多い食べ物を紹介しています。

4-1.動物性食品

開けた缶詰を上から見たところ

ビタミンEは以下のような動物性食品に含まれています。

【ビタミンE(α-トコフェロール)を多く含む動物性食品と可食部100g当たりの含有量】

食品名 加工状態など 含有量
あん肝 14.0mg
すじこ(しろさけ) - 11.0mg
イクラ(しろさけ) - 9.1mg
ツナ缶 油漬け 8.3mg
たらこ(すけとうだら) 7.1mg
うなぎ(養殖) かば焼 4.9mg
はまち(養殖) 皮付き、生 4.6mg
卵黄 4.5mg
サーモン 皮付き、生 3.8mg
さば缶詰 水煮 3.2mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

ビタミンEは魚や魚卵に多く含まれていることが分かります。

ツナ缶やさば缶を常備しておけば、手軽にビタミンEが摂取できますね。

4-2.植物性食品

アーモンド

ビタミンEは以下のような植物性食品にも含まれています。

【ビタミンE(α-トコフェロール)を多く含む植物性食品と可食部100g当たりの含有量】

食品名 加工状態など 含有量
アーモンド いり、無塩 29.0mg
らっかせい(大粒種) いり 10.0mg
モロヘイヤ 6.5mg
赤ピーマン 4.3mg
西洋かぼちゃ 3.9mg
しそ(葉) 3.9mg
アボカド 3.3mg
ブロッコリー 3.0mg
キウイフルーツ(黄肉種) 2.5mg
にら 2.5mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

ナッツ類や野菜など、さまざまな食品からビタミンEを摂取するようにしましょう。

5.ビタミンEについてのまとめ

ビタミンEは脂溶性ビタミンの一種です。

強い抗酸化作用を持っており、体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康を保つはたらきがあります

ビタミンEは魚類やナッツ類など、さまざまな食品に含まれています

通常の食生活を送っていれば、不足や過剰摂取になる心配はほとんどありません。

サプリメントなどによる過剰摂取に注意し、バランスの取れた食事を心掛けましょう。

栄養素に関連するおすすめ記事
メディパレット編集部

執筆者 メディパレット編集部

私たちは「健やかな未来を、ここから。」をコンセプトに、健康に関わる情報メディア“Medipalette”を運営しています。

← TOPへ戻る