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ビタミンCとは?体内でのはたらきや適切な摂取量、摂取源を紹介

メディパレット編集部

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ビタミンCとは?体内でのはたらきや適切な摂取量、摂取源を紹介

「ビタミンCって体に良さそうだけど、どんな栄養素なんだろう?」

ビタミンCについて何となく体に良いイメージはあっても、具体的なはたらきまでは知らないという方も多いのではないでしょうか。

ビタミンCは肌や粘膜の健康を維持するとともに強い抗酸化作用を持つ重要な栄養素です。

体内でつくることができないため、不足しないよう食品から摂取する必要があります。

この記事では、ビタミンCのはたらきや摂取源についてご紹介します。

過不足による影響や適切な摂取量についても解説するので、健康維持に役立ててくださいね。

1.ビタミンCの体内でのはたらき

ビタミンCは体の機能を正常に保つはたらきを持つビタミンの一種で、アスコルビン酸とも呼ばれます。

ビタミンとは
ヒトが必要とする栄養素のうち、たんぱく質、脂質、炭水化物、ミネラルおよび水を除いた有機化合物の総称です。水に溶ける水溶性と水に溶けない脂溶性に分けられます。ビタミンB群とビタミンCは水溶性、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKが脂溶性に分類されます。

体内でつくることができないため食べ物から摂取する必要があります

体内に取り込まれたビタミンCは血液などの体液に溶け込み、さまざまなはたらきをします。

この章ではビタミンCのはたらきについて詳しく解説します。

1-1.コラーゲンの合成に関わる

頬に手をあてる女性

ビタミンCはコラーゲンの合成に欠かせない栄養素です。

コラーゲンは体をつくる「たんぱく質」の一種で、細胞と細胞をつなぐ接着剤のような役割をしています。

たんぱく質とは
ヒトの体を構成する成分の一種で、エネルギー源となる栄養素です。筋肉や臓器、ホルモンなどの材料として重要なはたらきをします。

皮膚の潤いや弾力、ハリを保ったり、キメを細かくしたりといったはたらきを持つため、美容成分としても期待されています

メモ
化粧品に含まれるコラーゲンは皮膚表面の乾燥を防ぐためのもので、コラーゲンを塗っても皮膚に浸透するわけではありません。

コラーゲンには他にも血管に弾力を持たせる、骨や筋肉などを丈夫に保つ、傷の修復を促すといった健康維持にも深く関わるはたらきがあります

コラーゲンは酵素のはたらきにより体内でつくられますが、この酵素はビタミンCがないとはたらきません

酵素とは
消化や吸収、代謝など、生命を維持するためのさまざまな化学反応に欠かせないたんぱく質です。酵素のみではたらくものと、はたらくためにビタミンなどの「補酵素」を必要とするものがあります。

ビタミンCはコラーゲンの合成に関わる重要な栄養素といえますね。

1-2.活性酸素を除去する

窓辺で背伸びする女性

ビタミンCには活性酸素を除去するはたらきがあります

活性酸素とは
大気中の酸素よりも活性化された酸素や酸素原子を含む化合物の総称です。不安定でさまざまな物質と反応しやすい性質を持っています。呼吸以外で紫外線やたばこ、大気汚染、薬剤や酸化された物質の摂取、放射線などによっても発生します。微量であれば免疫機能としてはたらく一方で、増え過ぎると細胞を傷つけ、老化や免疫機能の低下を招きます。

活性酸素は酸化作用が強く、過剰につくられると細胞にダメージを与えます

活性酸素が体内で常につくられているのにもかかわらず健康を維持できるのは、ビタミンCなどの「抗酸化物質」がはたらいているからです。

抗酸化物質とは
活性酸素の発生やはたらきを抑えたり、除去したりする物質のことです。

ビタミンCは強い抗酸化作用を持ち、自らが酸化されることで活性酸素から細胞を守っているのです。

加えて、同じ抗酸化物質としてはたらくビタミンEと協力して活性酸素を除去することも分かっています。

1-3.黒色メラニンを抑制・還元する

日傘と帽子   

ビタミンCには黒色メラニンの生成を抑えたり還元(無色化)したりする作用があります

メラニンとは
皮膚や髪の毛、眼球などに存在する色素のことです。メラニンには黄赤色メラニンと黒色メラニンの2種類があり、これらのバランスにより皮膚や毛髪などの色の違いがもたらされます。

黒色メラニンは紫外線などの刺激を受け産生され、表皮に沈着するとシミやそばかすが生じます。

ビタミンCにはこの黒色メラニンの発生を抑えるはたらきがあり、シミやそばかすを予防する効果が期待できるのです。

またつくられた黒色メラニンを無色化する作用もあり、生じたシミを薄くする効果も期待できます。      

1-4.鉄の吸収を促進する

グリーンスムージーとその材料

ビタミンCにはミネラルの一種である鉄の吸収を促す作用があります

ミネラルとは
生体を構成する主要な4元素(酸素、炭素、水素、窒素)以外の物質の総称です。体内で合成できないため食べ物から摂取する必要があります。

食品中に含まれる鉄はたんぱく質と結合したヘム鉄と、結合していない非ヘム鉄に分けられます。

このうち非ヘム鉄はヘム鉄よりも体内での吸収率が低いのですが、ビタミンCはこの非ヘム鉄の吸収を促してくれます

鉄のはたらきや多く含む食品については以下の記事で解説しています。

鉄分とは?はたらきや食事摂取基準、多く含まれる食品などを紹介

2.ビタミンCの不足と過剰摂取による影響

ビタミンCの不足や過剰摂取は健康にさまざまな悪影響をもたらします

ビタミンCは体内で合成できないため食べ物から摂取する必要があります。

そのため食事が偏るとビタミンCが不足することがあるので注意が必要です。

一方で、サプリメントなどの過剰摂取にも気を付けましょう。

ここではビタミンCの不足や過剰摂取で生じる影響について解説します。

2-1.ビタミンCの不足による影響

ベッドの中で両手で顔を覆う女性

ビタミンCが不足すると倦怠(けんたい)感、疲労感、気力低下などの症状が現れます

また貧血になりやすかったり風邪をひきやすくなったりします。

さらにビタミンCが不足した状態が続くと壊血病を発症します

壊血病は血管がもろくなり出血しやすくなる病気です。

歯ぐき(歯茎)や皮下組織の出血、貧血、筋肉の減少、心臓の障害、呼吸困難などの症状を引き起こします。

メモ
ビタミンCは壊血病を予防する物質として発見されました。壊血病とみられる病気の記録は紀元前から存在します。大航海時代(16〜18世紀)に船上で野菜や果物を食べられなかった多くの船員が壊血病で命を落としました。18世紀中頃に壊血病の治療には柑橘(かんきつ)類の果物が有効であることが解明され、20世紀になってビタミンCが発見されました。

ビタミンCの不足はアルコール依存症の人や野菜・果物の摂取が少ない人、食事に極端な偏りがある人、特定の病気を患っている人や高齢者、薬物への依存がある人などに多く見られます

また喫煙者(受動喫煙を含む)は非喫煙者に比べビタミンCの必要性が高いことが分かっています。

2-2.ビタミンCの過剰摂取による影響

お腹fが痛そうに手を当てる女性

通常の食事で体内のビタミンCが多くなり過ぎることはほとんどありません。

これはビタミンCが水に溶けやすく、血液などの体液に溶け込んで余分なものは尿として排出されるためです。

しかしサプリメントなどでビタミンCを摂り過ぎた場合には、吐き気や下痢、腹痛が生じることがあります

また腎機能が低下している人は尿路結石ができやすくなるためビタミンCの摂り過ぎには気を付けましょう。

3.ビタミンCの適切な摂取量と平均摂取量

スライスしたレモン

「ビタミンCってどれくらい摂れば良いのかな……」

ビタミンCの適切な摂取量が気になるという方もいらっしゃるかもしれませんね。

健康を維持するためには適切な摂取量を知り、十分に摂取することが大切です。

ここではビタミンCの適切な摂取量と平均摂取量についてそれぞれ解説します。

3-1.ビタミンCの適切な摂取量

厚生労働省はビタミンCの摂取基準を設けています。

ビタミンCの摂取基準として、1歳未満に対し「目安量」、1歳以上に対し「推定平均必要量」と「推奨量」が設定されています。

メモ
目安量とは特定の集団において一定の栄養状態を維持するのに十分な量をいいます。推定平均必要量はある集団に属する人の半数の必要量を満たすと考えられる量です。推奨量はある集団に属するほとんどの人にとって十分だと考えられる量のことです。

ビタミンCの1日当たりの摂取基準は男女共に次のとおりです。

【ビタミンCの食事摂取基準(mg/日)】
年齢 推定平均必要量 推奨量 目安量
1歳未満
-
-
40
1~2歳
35
40
-
3~5歳
40
50
-
6~7歳
50
60
-
8~9歳
60
70
-
10~11歳
70
85
-
12~64歳
85
100
-
65歳以上
80
100
-

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

妊娠中、授乳中の方には上記に加え、次の付加量が設定されています。

【妊婦・授乳婦の付加量(mg/日)】
推定平均必要量 推奨量
妊婦
+10
+10
授乳婦
+40
+45

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

ビタミンCの摂取基準は抗酸化作用や心臓血管系の病気の予防が期待できる量として示されています

また上記の表を参考に、食品から十分な量のビタミンCを摂取することを基本とし、食品以外からの摂取について、1日当たり1,000mgを超える量の摂取は推奨していません[1]。

なお壊血病は1日当たり10mg程度のビタミンCを摂取していれば予防できるとされています。

[1] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

3-2.ビタミンCの平均摂取量

「普段の食事で十分なビタミンCを摂れているのかな……」

このように気になっている方もいらっしゃるかもしれませんね。

厚生労働省の令和元年 国民健康・栄養調査によるビタミンCの摂取状況は次のとおりです。

【ビタミンCの年代別平均摂取量(mg/日)】
年齢 男性 女性
1~6歳
56
49
7~14歳
69
66
15~19歳
75
81
20~29歳
62
62
30~39歳
66
65
40~49歳
76
74
50~59歳
82
88
60~69歳
102
118
70~79歳
128
135
80歳以上
121
116

[10] 厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査

このように多くの年代で推奨量に届いていません

日頃から意識してビタミンCを摂るようにしたいですね。

次の章ではどんな食べ物にビタミンCが含まれているのかを解説します。

4.ビタミンCの摂取源となる食べ物

ビタミンCは野菜類や果物類、いも類、海藻類などに含まれています。

ここでは特に優れた摂取源である野菜類や果物類をご紹介します。

4-1.野菜類

赤パプリカと黄色パプリカ

野菜類はビタミンCの主要な摂取源です。

なかでもビタミンCが豊富に含まれているものをご紹介します。

【ビタミンCが豊富な野菜と可食部100g当たりの含有量】
食品名 加工状態など 含有量
赤ピーマン(パプリカ)
170mg
オレンジピーマン(パプリカ)
150mg
黄ピーマン(パプリカ)
150mg
ブロッコリー
140mg
カリフラワー
81mg
トウミョウ
79mg
ピーマン
76mg
紫キャベツ(レッドキャベツ)
68mg
モロヘイヤ
65mg
れんこん
48mg
西洋かぼちゃ
43mg
小松菜
39mg
キャベツ
38mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

このように野菜でも特に緑黄色野菜に多く含まれています。

ビタミンCは調理によって減少しやすい栄養素のため、サラダなど生の状態での摂取が効率的です。

加熱する場合は、蒸したり電子レンジで調理したりすると失われるビタミンCを抑えることができるといわれています

4-2.果物類

いろいろなフルーツ

果物類もビタミンCの優れた摂取源です。

特に柑橘類に豊富に含まれています。

【ビタミンCが豊富な果物類と可食部100g当たりの含有量】
食品名 加工状態など 含有量
キウイフルーツ(黄肉種)
140mg
レモン(全果)
100mg
キウイフルーツ(緑肉種)
71mg
甘がき
70mg
ドライマンゴー
-
69mg
いちご
62mg
ネーブルオレンジ
60mg
グレープフルールジュース(濃縮還元)
-
53mg
パパイア(完熟)
50mg
バレンシアオレンジジュース(濃縮還元)
-
42mg
きよみオレンジ
42mg
パインアップル
35mg
うんしゅうみかん(早生)
35mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

ビタミンCの含有量は出回る時期によって異なる場合があるため、なるべく旬のものを選びましょう

ただし、果物は野菜に比べて糖質を多く含んでいるため摂り過ぎには注意が必要です。

5.ビタミンCについてのまとめ

ビタミンCは水溶性ビタミンの一種で、体内で合成できないため食品から摂取する必要があります。

コラーゲンの合成に関わるため、肌や粘膜の健康を保つためには欠かせません。

また強い抗酸化作用を持ち、活性酸素から細胞を守っています

その他メラニンの発生を抑えてシミやそばかすを予防したり、鉄の吸収を高めたりといった作用もあります

偏った食事などでビタミンCが不足すると倦怠感、疲労感、気力低下などの症状が現れ、不足した状態が続くと壊血病を発症します

また通常の食事でビタミンCを摂り過ぎることはほとんどないものの、サプリメントなどの過剰摂取により吐き気や下痢、腹痛が生じることがあります。

心臓血管系の病気の予防を目指してビタミンCの摂取基準が設けられていますが、現状では多くの年代でこの摂取基準を下回っています。

ビタミンCは野菜類や果物類を摂取源とし、なかでも緑黄色野菜や柑橘類に多く含まれています。

調理によって失われやすい栄養素であるため、サラダなど生のまま食べると効率的に摂取できます

加熱する場合は、蒸したり電子レンジを使ったりすることで失われる栄養素を抑えることができるといわれています。

また季節ごとに旬のものを取り入れるのもポイントです。

この記事を参考に、日々の食事で効率良くビタミンCを摂取するために役立ててくださいね。

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執筆者 メディパレット編集部

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