栄養素

脂質は1日にどれくらい摂取して良い?摂取目標量や過不足による影響

メディパレット編集部

メディパレット編集部

脂質は1日にどれくらい摂取して良い?摂取目標量や過不足による影響

「脂質は1日にどれくらい摂取して良いんだろう?」

「脂質の過剰摂取や摂取不足による影響を知りたい」

このように脂質の1日の摂取量について知りたいという方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。

脂質はヒトの体のエネルギー源となる他、細胞膜を構成したり、体内の機能を調節するホルモンなどとしてはたらいたりする重要な栄養素です。

しかし、炭水化物やたんぱく質といった他のエネルギー源となる栄養素よりもカロリーが高く過剰に摂取すると肥満や脂質異常症、動脈硬化などを引き起こす恐れがあります

そのため摂り過ぎや不足を避け、適切な量を摂取するよう日々意識する必要があるといえます。

この記事では脂質の1日の摂取目標量や過不足による影響などについて紹介します。

1.脂質とは

見聞きする機会の多い「脂質」という栄養素ですが、体内でどのようにはたらいているのか、詳しくはご存じないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

また、一口に「脂質」といってもいくつかの種類に分けられ、体内でのはたらきもそれぞれに異なります

脂質の1日当たりの摂取目標量をご紹介する前に、まずは脂質についてご説明しましょう。

脂質は炭水化物やたんぱく質と並ぶ「エネルギー産生栄養素」の一つです。

エネルギー産生栄養素とは
ヒトにとって必要不可欠な栄養素のうち、エネルギー源となるたんぱく質・脂質・炭水化物(糖質)の総称です。

炭水化物(糖質)とたんぱく質のカロリーが1g当たり約4kcalであるのに対し、脂質は1g当たり9kcalとカロリーが高く、効率の良いエネルギー源であるといえます[1]。

メモ
カロリーはヒトが食べ物などから摂取し、生命を維持したり体を動かしたりするのに消費するエネルギーの量を表す単位です。1cal(カロリー)は非常に小さいため、一般的にはその1,000倍である1kcal(キロカロリー)が最小単位として用いられます。

なお、食べ物などから消費カロリー(消費エネルギー量)を上回るカロリー(エネルギー)を摂り過ぎると、使い切れなかったエネルギーが脂肪として体内に蓄えられ、肥満を招きます。

脂質の摂り過ぎが肥満の原因として知られているのは、他のエネルギー産生栄養素よりもカロリーが高いためなのですね。


脂質制限におすすめのスナック >

また脂質は体内で細胞膜を構成したり、ホルモンなどの体の機能をコントロールする成分の材料となったりします

さらに油に溶けるビタミンA・D・E・Kといった「脂溶性ビタミン」などの栄養素の吸収を助けるはたらきもあり、体にとって重要な栄養素の一つです。

なお、脂質のはたらきは種類によって異なる場合もあります。

脂質のなかでも代表的なものの一つが、中性脂肪です。

中性脂肪はトリグリセリドとも呼ばれ、肉や魚、食用の油などの食品に含まれる脂質や、ヒトの体脂肪の大部分を占めています。

中性脂肪などの脂質は、「脂肪酸」によって構成されています。

脂肪酸は構造的な違いから「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分けられます

飽和脂肪酸は主に肉やバター、乳脂肪などの動物性の食品や、ココナッツミルクなどに多く含まれている脂肪酸です。

体内で合成することができるため食事から摂取する必要はなく、肥満や生活習慣病の原因として知られています。

一方、不飽和脂肪酸は主に魚や植物性の油脂に多く含まれます。

また不飽和脂肪酸はさらに一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けられます

「体に悪い脂質」として「トランス脂肪酸」という名前を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、トランス脂肪酸は不飽和脂肪酸の一種です。

トランス脂肪酸は牛などの反すう動物の胃でつくられるものと、液状の不飽和脂肪酸を固形の飽和脂肪酸に工業的に変える際に副産物として生じるものに分けられます。

具体的には前者は牛肉や乳製品、後者はマーガリンやショートニング、それらを使った菓子類などに含まれています。

多価不飽和脂肪酸にはnー6系とnー3系があります

脂肪の分類

nー6系脂肪酸とnー3系脂肪酸は体内でつくることができず、食事から摂取する必要があるため「必須脂肪酸」と呼ばれています。

不足すると皮膚炎などの症状が現れるため要注意です。

この他に、生活習慣病の因子として知られる「コレステロール」も脂質の一種です。

摂り過ぎると生活習慣病のリスクを高めるため過剰摂取には注意が必要だといわれていますが、体内では細胞膜やホルモン、消化液の一種である「胆汁酸」の材料として使われており、適量であれば体に不可欠な物質です。

コレステロールは食べ物では卵類や内臓類などに多く含まれています。

理想とする体型や健康のために脂質の摂取量を減らしたいと考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、脂質は体にとって重要な栄養素の一つです。

脂質の種類も意識して過不足なく摂取することが大切だといえるでしょう。

[1] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

【関連情報】 「脂質とは?はたらきや種類、1日に摂取すべき量の計算方法を解説」についての記事はこちら

2.脂質の1日当たりの摂取目標量と平均摂取量

「脂質は1日に何グラム摂取すべきなんだろう?」

「今の食生活で脂質を摂り過ぎていないか不安……」

このように気になっている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

ここからは脂質の1日当たりの摂取目標量や平均摂取量について解説します。

ここで紹介する摂取目標量を参考に脂質の摂取量に注意するようにしましょう。

2-1.脂質の摂取目標量

1日に摂取すべき脂質の量は、重量では定められていません。

厚生労働省は成人に対し、脂質から摂取するカロリー(エネルギー)を1日の総摂取カロリー(総エネルギー摂取量)の20〜30%に抑えるという摂取目標量を設定しています[2]。

メモ
目標量は、生活習慣病の発症予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量のことです。

また飽和脂肪酸から摂取するカロリーを総摂取カロリーの7%以下にすることが望ましいとされています[2]。

これを重量に換算すると何グラムになるのか、計算してみましょう。

1日当たりの推定必要カロリー(推定エネルギー必要量)は年齢や性別、身体活動レベル(どれだけ体を動かすかということ)によって異なります。

まずは以下の表でご自身の身体活動レベルを確認してください。

【身体活動レベル】
低い 生活の大部分を座って過ごし、体を動かす機会があまりない場合
普通 座って過ごすことが多いが、歩いたり立った状態で作業・接客したりすることがある仕事に就いている場合、または通勤や買い物で歩いたり、家事をしたり、軽いスポーツを行ったりする習慣がある場合
高い 移動したり立った状態で作業したりすることの多い仕事に就いている場合、または余暇にスポーツをするなどの活発な運動習慣がある場合

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

身体活動レベルが分かったら、下の表でご自分に合った推定必要カロリーを確認します。

【男性の1日当たりの推定エネルギー必要量(kcal)】
身体活動レベル 低い 普通 高い
0~5カ月
-
550
-
6~8カ月
-
650
-
9~11カ月
-
700
-
1~2歳
-
950
-
3〜5歳
-
1,300
-
6〜7歳
1,350
1,550
1,750
8〜9歳
1,600
1,850
2,100
10〜11歳
1,950
2,250
2,500
12〜14歳
2,300
2,600
2,900
15〜17歳
1,950
2,250
2,500
18〜29歳
2,250
2,600
3,000
30〜49歳
2,350
2,750
3,150
50~64歳
2,250
2,650
3,000
65~74歳
2,100
2,350
2,650
75歳以上
1,850
2,250
-

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

【女性の1日当たりの推定エネルギー必要量(kcal)】
身体活動レベル 低い 普通 高い
0~5カ月
-
500
-
6~8カ月
-
600
-
9~11カ月
-
650
-
1〜2歳
-
900
-
3〜5歳
-
1,250
-
6〜7歳
1,250
1,450
1,650
8〜9歳
1,500
1,700
1,900
10〜11歳
1,850
2,100
2,350
12〜14歳
2,150
2,400
2,700
15〜17歳
1,850
2,100
2,350
18〜29歳
1,700
1,950
2,250
30〜49歳
1,750
2,050
2,350
50~64歳
1,700
1,950
2,250
65~74歳
1,650
1,850
2,050
75歳以上
1,450
1,750
-

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

【妊婦・授乳婦の推定エネルギー必要量の付加量(kcal)】
時期 身体活動
低い・普通・高い
妊娠 初期
+50
中期
+250
後期
+450
授乳期
+350

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

例えば20代で身体活動レベルが普通の女性の場合、1日当たりの推定必要カロリーは1,950kcalとなります。

脂質から摂るべきカロリーはこの20〜30%に当たるので、計算すると約390〜585kcalです。

脂質は1g当たり約9kcalであるため、9で割ると約43〜65gの脂質を摂取すべきであることが分かりますね。

また、飽和脂肪酸から摂取すべきカロリーは約137kcal以下、グラム換算すると約15g以下ということになります。

メモ
前掲の推定必要カロリーは標準的な体格の方を対象に算出されたものです。また妊娠中や授乳中の方は年代別の推定必要カロリーに状況に応じた付加量を加える必要があります。

ご自身の体格や状況に合った1日当たりの推定必要カロリーが知りたいという方は以下の記事をご確認ください。

1日に必要なカロリーって?計算方法と健康を保つポイントを解説!

またn-6系脂肪酸およびn-3系脂肪酸は必須脂肪酸であるため、重量での摂取目安量が設定されています

メモ
目安量は、一定の栄養状態を維持するのに十分な量のことです。目安量以上を摂取している場合は不足のリスクはほとんどないとされています。

成人のn-6系脂肪酸およびn-3系脂肪酸の摂取目安量は以下のとおりです。

【1日当たりのn-6系脂肪酸の摂取目安量(g)】
年齢 男性 女性
0~11カ月
4
4
1〜2歳
4
4
3〜5歳
6
6
6〜7歳
8
7
8〜9歳
8
8
10〜11歳
9
9
12〜14歳
11
11
15〜17歳
13
11
18〜29歳
12
9
30〜64歳
11
9
65~74歳
10
9
75歳以上
9
8
妊婦・授乳婦
-
9

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

【1日当たりのn-3系脂肪酸の摂取目安量(g)】
年齢 男性 女性
0~5カ月
0.9
0.9
6~11カ月
0.8
0.8
1〜2歳
0.7
0.7
3〜5歳
1.2
1.0
6〜7歳
1.4
1.2
8〜9歳
1.5
1.4
10〜11歳
1.7
1.7
12〜49歳
2.2
1.7
50〜64歳
2.3
1.9
65歳以上
2.3
2.0
妊婦・授乳婦
-
1.7

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

脂質全体の量だけでなく、種類にも注意して食事の内容を決めるよう心掛けましょう。

メモ
日本人のトランス脂肪酸の摂取量は少なく、飽和脂肪酸に比べ健康への影響が小さいことから国内では摂取目標量は設定されていませんが、世界保健機関(WHO)やアメリカをはじめ海外のいくつかの機関や国ではトランス脂肪酸から摂取するカロリーを総摂取カロリーの1%未満にとどめることを推奨しています[2]。また、後述する脂質異常症の重症化を予防する観点から、コレステロールの摂取は1日200mg未満にすることが望ましいとされています[2]。

[2] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

2-2.脂質の平均摂取量

「普段の食事だと、どれくらい脂質を摂っているんだろう?」

といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

脂質は調理に使われる油やバター、マーガリンなどの「見える油」だけでなく、さまざまな食品に含まれています

そのため普段の食事でどれくらいの量を摂取しているのか、想像がつきにくいものですよね。

そこで日本人の平均的な脂質摂取量を確認してみましょう。

厚生労働省が行った「令和元年国民健康・栄養調査」の結果では、脂質の平均摂取量は20歳以上の男性で66.3g、同じく女性で56.7gです[3]。

また総摂取カロリーに対する脂質から摂るカロリーの割合は20歳以上の男性で27.4%、同じく20歳以上の女性で29.2%となっています[3]。

脂質から摂るべきカロリーは総摂取カロリーの20〜30%だとされているので、平均的な食事であれば目標量を達成できているように思われますよね。

しかし、総エネルギー摂取量に占める脂質の割合が30%を超えている人は、20歳以上の男性で約35.0%、20歳以上の女性で約44.4%もいることが分かっています[4]。

また、この割合は年々増加しているとされています[4]。

戦後、日本では食の欧米化が進んだことで肉類や乳製品類の摂取量が増え、年々脂質の摂取量が増加していることが指摘されています。

油断すると脂質を摂り過ぎてしまう傾向にあるので、十分な注意が必要だといえるでしょう。

[3] 厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」

[4] 農林水産省「脂質のとりすぎに注意」

3.脂質の過剰摂取と摂取不足の影響

「脂質を摂り過ぎるとどんな影響があるのかな?」

「脂質の摂取量が不足しているとどうなるのか気になる……」

このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここからは脂質の過剰摂取と摂取不足の影響について紹介します。

3-1.脂質の過剰摂取による影響

脂質の過剰摂取は肥満や脂質異常症などの原因となります

肥満とは体重が多いだけでなく、体脂肪が過剰に蓄積された状態のことです。

摂り過ぎた脂質は体内で中性脂肪として蓄えられてしまいます。

また肥満は糖尿病や脂質異常症、高血圧などの生活習慣病の原因にもなるため、美容だけでなく健康のためにも予防・改善が重要だといえるでしょう。

脂質異常症とは、血中の脂質が基準値から外れた状態のことです。

中性脂肪(トリグリセリド)が増え過ぎて起こる「高トリグリセリド血症」、いわゆる悪玉コレステロールが増え過ぎてしまう「高LDLコレステロール血症」、善玉コレステロールが少なくなってしまう「低HDLコレステロール血症」などがあります。

脂質異常症はいずれも動脈硬化を進行させる要因となります。

動脈硬化とは心臓から全身の器官に血液を送る「動脈」の壁が弾力性を失い、厚く固くなった状態のことで、「狭心症」や「心筋梗塞」「脳梗塞」などのさまざまな病気を引き起こします。

メモ
狭心症は心臓を取り巻く「冠動脈」という血管が動脈硬化などによって狭まり、血流の悪化が生じる病気です。血液は全身に酸素を供給するはたらきをしているため、冠動脈が狭まると心筋が酸欠に陥ります。また冠動脈が完全にふさがり、心筋が酸欠による壊死を起こした状態を心筋梗塞といいます。同様に脳の血管がふさがった場合は脳梗塞が生じます。

脂質異常症や動脈硬化には自覚症状がほとんどありませんが、放置していると命を脅かす危険な病気を招いてしまうのですね。

脂質異常症については以下の記事で詳しく解説しています。

脂質異常症とは?発症の原因や健康への影響、改善のポイントも解説!

また脂質は摂取量だけでなく種類によっても健康へ及ぼす影響が異なるため、脂質の種類にも注意が必要です。

飽和脂肪酸は、過剰に摂取すると血中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を増やすことが分かっています。

また、トランス脂肪酸も要注意です。

トランス脂肪酸は飽和脂肪酸よりもHDLコレステロール(善玉コレステロール)に対するLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の割合を大きく上昇させてしまうため、摂取を避けたい脂質の一つです。

研究によると、マーガリンやショートニングなどに含まれる工業由来のトランス脂肪酸を最も多く摂っている群は、最も摂取量が少ない群に対し冠動脈疾患を発症するリスクが1.3倍であることが分かっています[5]。

さらにコレステロールを摂り過ぎないことも重要です。

通常、体内で合成されるコレステロールの量は食事から摂取するコレステロールの量に応じて調整されていますが、食事からコレステロールを摂り過ぎると血中コレステロール濃度にも影響が出るといわれています。

コレステロールについては以下の記事でも詳しくご説明しています。

コレステロールとは?基準値や高い原因、対策を解説!

このように、脂質の摂り過ぎにはさまざまな健康上のリスクが存在するのですね。

[5] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

3-2.脂質の摂取不足による影響

脂質は摂り過ぎばかりが懸念されている傾向にありますが、摂取量が不足するとエネルギー不足に陥ったり、脂溶性ビタミンの吸収に悪影響が出たりする可能性があります。

また多価不飽和脂肪酸であるnー6系脂肪酸とnー3系脂肪酸は必須脂肪酸であり、体内で合成することができません。

これらが不足すると皮膚炎などを引き起こす恐れがあります。

4.脂質を多く含む食品

「脂質はどんな食品に多く含まれているんだろう?」

適切な量の脂質を摂取するためにこのように考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

脂質の過剰摂取を防ぐためにも食品に含まれる脂質を把握しておきたいものですよね。

ここからは脂質を多く含む食品を紹介します。

脂質を多く含む食品

食べ物に含まれる脂質については以下の記事でより詳細にご紹介しています。

脂質の少ない食べ物とは?脂質の摂取や抑える工夫

4-1.肉類

豚バラ肉

脂質含有量の比較的多い代表的な肉類をご紹介します。

【脂質を含む肉類と可食部100g当たりの含有量およびカロリー】
食品名 加工状態など 脂質 飽和脂肪酸 一価不飽和脂肪酸 多価不飽和脂肪酸 カロリー
和牛リブロース
脂身付き、生
56.5g
19.81g
29.80g
1.39g
514kcal
鶏皮(もも)
51.6g
16.3g
25.23g
6.54g
474kcal
和牛ばら肉
脂身付き、生
50.0g
15.54g
26.89g
1.12g
472kcal
和牛サーロイン
脂身付き、生
47.5g
16.29g
25.05g
1.12g
460kcal
和牛リブロース
赤肉、生
40.0g
14.75g
21.04g
0.97g
395kcal
豚ばらベーコン
-
39.1g
14.81g
18.0g
3.57g
400kcal
豚ばら肉
脂身付き、生
35.4g
14.6g
15.26g
3.5g
366kcal
牛ハラミ
27.3g
9.95g
13.86g
0.97g
288kcal
牛タン
31.8g
11.19g
15.98g
1.25g
318kcal
ウインナーソーセージ
-
30.6g
27.99g
10.98g
13.42g
319kcal
牛サーロイン
赤肉、生
25.8g
9.14g
13.29g
0.62g
294kcal
豚肩ロース
脂身付き、生
19.2g
7.26g
8.17g
2.1g
237kcal
鶏手羽先
皮付き、生
16.2g
4.40g
8.32g
2.33g
207kcal
鶏もも肉
皮付き、生
14.2g
4.37g
6.71g
1.85g
190kcal
鶏胸肉
皮付き、生
5.9g
1.53g
2.67g
1.03g
133kcal

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

肉の種類や部位によって脂質や脂肪酸の含有量が大きく異なることが分かりますね。

脂質の摂取量をできるだけ抑えたい場合は、赤身など脂肪の少ない肉を選んだり、調理時に脂身や皮などを取り除いたりすると良いでしょう。

4-2.魚介類

お寿司

続いて、脂質含有量の比較的多い魚介類をご紹介します。

【脂質を含む魚介類と可食部100g当たりの含有量およびカロリー】
食品名 加工状態など 脂質 飽和脂肪酸 一価不飽和脂肪酸 多価不飽和脂肪酸 カロリー
あんこう肝
41.9g
9.29g
14.15g
11.88g
401kcal
みなみまぐろトロ
28.3g
6.06g
10.62g
7.68g
322kcal
くろまぐろトロ
27.5g
5.91g
10.2g
6.41g
308kcal
さんま
皮付き、生
25.6g
4.84g
10.58g
6.35g
287kcal
うなぎ
蒲焼き
21.0g
5.32g
9.85g
3.39g
285kcal
ぎんだら
18.6gg
4.5g
9.87g
1.59g
210kcal
ぶり
17.6g
4.42g
4.35g
3.72g
222kcal
まさば
16.8g
4.57g
5.03g
2.66g
211kcal
ぎんざけ(養殖)
12.8g
2.3g
4.87g
3.74g
188kcal

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

この表からも分かるように魚介類は肉類に比べて、飽和脂肪酸が少なく不飽和脂肪酸が多いという特徴があります

なかでもあじやさんまなど、青魚に含まれるnー3系脂肪酸の「DHA」や「EPA」はLDLコレステロールに関わるはたらきがあります。

ただし脂質である以上カロリーは高めなので、摂り過ぎにも注意してくださいね。

4-3.ナッツ類

アーモンド

ナッツ類はいずれも比較的脂質を多く含んでいます。

代表的なナッツの脂質含有量をご紹介しましょう。

【脂質を含むナッツ類と可食部100g当たりの含有量およびカロリー】
食品名 加工状態など 脂質 飽和脂肪酸 一価不飽和脂肪酸 多価不飽和脂肪酸 カロリー
マカダミアナッツ
いり、味付け
76.7g
12.46g
59.23g
1.56g
751kcal
ヘーゼルナッツ
フライ、味付け
69.3gg
6.21g
54.74g
5.31g
701kcal
くるみ
いり
68.8g
6.87g
10.26g
50.28g
713kcal
ひまわり種
いり、味付け
56.3g
5.68g
12.87g
28.31g
587kcal
ピスタチオ
いり、味付け
56.1g
6.15g
30.92g
16.42g
617kcal
アーモンド
いり、無塩
54.1gg
4.13g
35.09g
12.65g
608kcal
らっかせい
いり
49.6g
9.00g
24.54g
14.83g
613kcal
カシューナッツ
フライ、味付け
47.6g
9.97g
27.74g
8.08g
591kcal

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

ナッツ類は脂質のなかでも特に不飽和脂肪酸を多く含んでいることが分かります。

不飽和脂肪酸には体内で合成できない必須脂肪酸も含まれるため、ナッツ類を積極的に摂取すると良いでしょう。

ナッツについては以下の記事で詳しく解説しています。

ナッツの種類と栄養素、その効果を徹底解説!食べると太るって本当?

4-4.乳製品類

バター

代表的な乳製品類に含まれる脂質の量を確認していきましょう。

【脂質を含む乳製品類と可食部100g当たりの含有量およびカロリー】
食品名 脂質 飽和脂肪酸 一価不飽和脂肪酸 多価不飽和脂肪酸 カロリー
無塩バター
3.0g
1.83g
0.71g
0.10g
56kcal
有塩バター
3.0g
1.83g
0.71g
0.10g
56kcal
クリーム(乳脂肪)
43.0g
26.28g
9.89g
1.37g
404kcal
クリーム(乳脂肪・植物性脂肪)
42.1g
18.32g
18.74g
1.17g
388kcal
クリーム(植物性脂肪)
39.5g
26.61g
7.38g
1.73g
353kcal
チェダーチーズ
33.8g
20.52g
9.09g
0.81g
390kcal
エメンタール
33.6g
18.99g
8.12g
0.87g
398kcal
パルメザンチーズ
30.8g
18.15g
7.11g
0.94g
445kcal
プロセスチーズ
26.06g
16.0g
6.83g
0.56g
313kcal
普通牛乳
3.8g
2.33g
0.87g
0.12g
61kcal

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

牛乳乳製品に含まれる脂質は消化吸収がされやすいといわれており、胃や腸に負担をかけずに体内に取り入れられます。

また牛乳に含まれるコレステロールは200mL当たり25gと少なく、毎日400〜600mLの牛乳を飲み続けても血中コレステロール濃度の上昇は見られなかったという研究結果があります[6]。

脂質を気にして牛乳を避ける必要はないといえるかもしれませんね。

[6] 一般社団法人Jミルク「牛乳の脂質」

4-5.油脂類

オイルと木のスプーン

油脂類に含まれる脂質は以下のとおりです。

【脂質を含む油脂類と可食部100g当たりの含有量およびカロリー】
食品名 脂質 飽和脂肪酸 一価不飽和脂肪酸 多価不飽和脂肪酸 カロリー
えごま油
7.64g
16.94g
70.60g
897kcal
オリーブオイル
100.0g
13.29g
74.04g
7.24g
894kcal
なたね油
100.0g
7.06g
60.09g
26.10g
887kcal
ごま油
100.0g
15.04g
37.59g
41.19g
890kcal
大豆油
100.0g
14.87g
22.12g
55.78g
885kcal
あまに油
100.0g
8.09g
15.91g
71.13g
897kcal
ラード
100.0g
39.29g
43.56g
9.81g
885kcal
ショートニング(家庭用)
99.9g
46.23g
35.54g
11.56g
889kcal
マーガリン(家庭用、有塩)
83.1g
23.04g
39.32g
12.98g
715kcal
有塩バター
83.0g
52.4g
18.52g
2.05g
720kcal

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

油脂類といっても油の種類によって特徴が異なります。

ラードやバターには飽和脂肪酸、オリーブオイルには一価不飽和脂肪酸、ごま油にはnー6系脂肪酸、アマニ油はnー3系脂肪酸がそれぞれ多く含まれています

調理の際に使う油に注意してみるのも良いかもしれませんね。

5.脂質の1日の摂取量についてのまとめ

脂質はたんぱく質や炭水化物と並ぶエネルギー産生栄養素の一つです。

厚生労働省は脂質から摂取するカロリーを1日の総摂取カロリーの20~30%に抑えるよう摂取目標量を設定しています[7]。

脂質の摂取量は年々増加しており、摂取目標量以上の脂質を摂取する人の割合も同じように増加傾向にあります。

効率的なエネルギー源といわれる脂質ですが、過剰に摂取すると肥満やさまざまな生活習慣病を引き起こす恐れがあるので注意が必要です。

また脂質は摂取量だけでなく摂取する種類によってそれぞれ異なる影響を及ぼすため気を付ける必要があるでしょう。

動物性脂質に多く含まれている飽和脂肪酸や、工業的に生じたトランス脂肪酸、卵や内臓類に多く含まれるコレステロールなどは血中のLDLコレステロールを増やし、動脈硬化のリスクを高めるといわれています。

一方で脂質の摂取量が少ないとエネルギーが不足したり脂溶性ビタミンの吸収に支障が出たりといった問題が起こる可能性があります。

健康的な生活のために、総摂取カロリーや脂質の摂取量、種類に注意するようにしましょう。

[7] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025 年版)」

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メディパレット編集部

執筆者 メディパレット編集部

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