「食物繊維が便秘に良いと聞いたけど、手軽に摂るならどんな飲み物が良いのかな?」
便秘が気になり、このようにお考えの方もいるのではないでしょうか。食物繊維は整腸効果だけでなく、血糖値上昇の抑制や、血液中のコレステロール濃度の低下など、多くの生理機能が期待できる成分です。健康的な生活を目指すためには、積極的に摂り入れたいですね。
しかし、毎日のように大量の野菜を摂取するのは簡単ではありません。手軽に摂る方法としては、飲み物がおすすめです。続けやすいので、ぜひ試してみてくださいね。
この記事では食物繊維の摂取目標量や、食物繊維を手軽に摂れる飲み物をご紹介します。
1.食物繊維は便秘予防・生活習慣病予防に最適!
食物繊維は便秘や生活習慣病の予防に効果的な成分です。小腸では消化吸収されず、そのまま大腸まで到達してさまざまな働きを発揮してくれます。
まずは、食物繊維を摂取するとどんなメリットを得られるのか見ていきましょう。
【関連情報】 「食物繊維とは?はたらきや摂取目標量、摂取源となる食べ物を解説」についての記事はこちら
1-1.メリット1.整腸作用がある
食物繊維を摂取すると、腸内細菌により発酵・分解され、ビフィズス菌や乳酸菌を増やして腸内環境を整えてくれます。食物繊維は水に溶けやすい性質の水溶性食物繊維と、溶けにくい性質の不溶性食物繊維に分けられますが、不溶性食物繊維は水分を吸収して便のかさを増やします。排便が促されるだけでなく、腸内の有害物質を体外に排出しやすくなるため、大腸がんのリスクを減らせるのです。
このように、食物繊維には整腸作用があるため、腸内環境を整えたい人は積極的に摂りたい成分です。
1-2.メリット2.血糖値の上昇を抑える
食物繊維には、食後の血糖値が上昇するのを抑えるはたらきがあります。そのうち、水溶性食物繊維は小腸での栄養吸収の速度を緩やかにして、血糖値の上昇を抑えてくれるのです。糖尿病の方でも、1日当たり20g以上の食物繊維を摂ることが推奨されています[1]。
1-3.メリット3.血圧の上昇を抑える
食物繊維は、血圧が高い人にも積極的な摂取がすすめられています。食塩を過剰に摂取すると、体内にナトリウムと水が貯まって血液量が増加し、血圧が上がるといわれています。食物繊維には体内の塩分を排出するはたらきがあるため、血圧の上昇を抑えられるのです。
高血圧は自覚症状がなく、気づいたときには致命的な症状をもたらすサイレントキラーとして知られています。食物繊維を積極的に摂って高血圧の予防をしましょう。
1-4.メリット4.血中コレステロールを低下させる
食物繊維はコレステロールから作られる胆汁酸の排出を促進します。そのため、血中コレステロールを下げることが可能です。血液中の脂質濃度が基準値より高い脂質異常症の方にも、食物繊維を摂ることが勧められています。
1-5.1日にどれくらいの食物繊維が必要?
近年、日本人の平均的な食物繊維摂取量は1日当たり14g前後とされ、1950年ごろと比べると減少傾向にあります[2]。
では、整腸効果や血糖値上昇の抑制などの効果を得るには、どのくらい食物繊維を摂ると良いのでしょうか。
1-6.食物繊維の摂取目標は1日約20g
食物繊維の摂取目標量は、18~64歳の男性で1日当たり21g以上、女性で18g以上です[3]。
欧米では、1日当たり24g以上の摂取で、心筋梗塞や脳卒中、2型糖尿病などの発症リスクを低下させることが報告されています。
食物繊維は植物性食品に多く含まれているので、食物繊維が不足している方は豆類や野菜類を積極的に摂るようにしましょう。
1-7.食物繊維が足りていないときのサイン
食物繊維が足りていないと、次のような症状が見られる場合があります。
- 排便が不規則になる
- 便秘しがちになる
- 1回の排便が150g以下である
十分に食物繊維を摂れていれば、1日1回規則的な排便が見られます。しかし、不足している場合は数日おきにしか出なかったり、便が硬くなったりしてしまうこともあるでしょう。
1回あたりの排便量が150g以下の場合も食物繊維が不足している可能性があります[4]。便のサイズがMサイズの鶏卵三つ分より小さい場合は150g以下と考えてください。
多くの方が食物繊維不足となっていますので、まずは1日3~4gをプラスできるように食生活の見直しを行いましょう。白米を麦ごはんや玄米ご飯に置き換えたり、豆類や野菜類を多く献立に摂り入れたりして、積極的に摂取してみてくださいね。
2.食物繊維の豊富な飲み物を紹介
それでは、食物繊維が豊富な飲み物を紹介します。飲み物なら朝の準備中やちょっとしたすきま時間に摂取できるので、とても便利です。食物繊維は毎日続けて摂取することが大切ですので、これから紹介する飲み物をぜひうまく活用してみてください。
2-1.青汁
青汁は食物繊維が豊富な飲みものの一つです。ケールが含まれた一般的な青汁(粉末)の食物繊維量は、100g当たり28.0gです[5]。
近頃の青汁はスッキリとした味わいで飲みやすいものが多いので、苦味が苦手な方でも続けやすいはずです。
朝ごはんの代わりとして飲むのも良いですし、間食として取り入れるのも良いでしょう。水で溶かして飲むのが苦手な方は、牛乳やリンゴジュースで溶かしてみてください。独特の風味が和らぎ、飲みやすくなります。
2-2.ココア
ココアには、食物繊維が多く含まれています。ピュアココア(粉末)に含まれる食物繊維量は100g当たり23.9gです[6]。
ココアの原料となるカカオには、ポリフェノールも豊富です。ポリフェノールには動脈硬化やがんを予防する効果が期待できるため、将来の病気のリスクを下げるために積極的に摂取したいですね。また、冷え症を改善する効果も期待でき、冷え症の方や寒い冬を乗り切りたい方にもおすすめです。
3.食物繊維を摂りたいときの飲み物についてのまとめ
食物繊維が豊富な飲み物には、青汁やココアがあります。
青汁は水に溶かすだけで簡単に飲めるものが多く、野菜も同時に摂取できることから毎日の食生活が気になる方に最適です。水に溶かさずそのまま飲める商品もあるので、忙しい方はぜひ取り入れてみましょう。ココアはポリフェノールが多く含まれているので、健康サポートにも効果的です。
毎日続けやすいものを見つけて、食物繊維不足を解消しましょう。